設立趣旨 《特定非営利活動法人 鹿島田・新川崎まちづくりの会》

 鹿島田駅・新川崎駅を中心とした地域は川崎市の副都心として位置づけられています。1981年に川崎市は鹿島田駅周辺地区整備構想を発表、1983年には三井不動産が日立精工跡地に30階ツインタワーを建設する計画を発表しました。高層ビルを主体とした開発の動きに既存の町内会等は住民意見の集約などの役割を果たす事は無く、一部「鹿島田再開発を考える会」が住民30名による日照権訴訟を起こすなどの動きはあったものの、2005年には5haの再開発事業は廃止、隣接する区域2.3haに民間主導の再開発が実施され、超高層マンションを軸にした開発が進められてきました。
 鹿島田・新川崎を中心とした生活圏においてどのようなまちづくりを進める事が、安全で安心して住み続けられる未来につながるのでしょうか。地域の声を集約する行政単位としては人口17万人を抱える幸区が最小単位であり、行政の手の届かない部分は町内会が担って来ました。しかし47階のパークタワー新川崎をはじめ、新しく建設される高層マンションには自治会ができ、既存の町内会とは別に住民が組織されています。従来からの地域住民とは別空間としての特殊性がある一方で、同じ商店街を利用し、同じ地域環境で生活を共にする中で共通の問題点、共通の解決課題を持っているにもかかわらず十分に連携して解決に向かう事が難しい状況です。
 そのような状況の中で、私達の前身である「住みよい鹿島田を考える会」が取り組んだ鹿島田市営住宅跡地を公園にする取り組みは既存の自治組織にできない部分を補う働きとして一つのモデルとなりました。市営住宅跡地が民間に売却されるとの危惧のなか、会は2010年に陳情署名にとりくみ886名の陳情が市議会にて全会一致で採択され、鹿島田二丁目公園として実を結びました。公園整備にあたって、会は住民アンケートに取り組み、行政を交えての説明会開催などを通じてマンホールトイレや防災倉庫、ごみ集積場の確保など住民の意見を反映することができました。その後の公園管理・維持運営には鹿島田町内会が力を発揮しています。
 いま鹿島田・新川崎地域には南武線高架問題、鹿島田駅の開かずの踏切などの交通問題や空き家増加などの生活環境問題など様々な課題があります。戸建て居住者が水害時にマンションへの一時避難ができないか、地震停電時に高層マンションから地域の避難所を利用できないかなど、防災対策は置かれた立場の違いはあっても共通の課題です。また、南武線高架は20年から30年先になると言われていますが、高架下空間を活用したバスケットゴールリングの設置で中高生の居場所を作れないか等の意見が出ています。将来に向かって幅広い世代の居場所つくりを考え、文化・芸術・スポーツの力を活用した活動によって一つひとつ実現への道筋が見えてくるでしょう。
同じ生活圏の人々が自らの手によって生活課題をとりだし、あるものは住民の手で、あるものは行政やその他の機関の協力を得て解決の方策を見いだすことで共同体意識が育ちます。
そのためには、町内会や自治会と行政やその他の関係機関とを結び、協力を得ながら住民自身がまちづくりの主人公として活躍できる組織が必要です。鹿島田・新川崎地域の幅広い意見調整と合意形成により不特定・多数の利益の増進に寄与するには、オープンに多くの人を受け入れ透明性のある組織運営が求められると考え、特定非営利活動法人を設立することにしました。
まちづくりの推進・普及啓発・持続可能な開発目標(SDGs)の推進などの事業を行うことで、誰もが安全で安心して住み続けられる、人間の顔をしたまちづくりに寄与できると考えます。

まちづくりの推進を図る


  1. 鹿島田駅開かずの踏切改善
  2. 新川崎駅タクシー乗り場改善

まちづくりに関する普及啓発


  1. 鹿島田駅開かずの踏切改善の意見集約
  2. 若者の居場所づくり

持続可能な開発目標(SDGs)の推進


  1. 持続可能なまちづくりセミナー開催
  2. 人間の顔をしたまち